ソフィーでは学習の「方向性」には大きく分けて2種類のものがある、と考えています。それぞれにはそれぞれの長所と短所があります。両者を意識的に使い分けることで、大量の情報をより正確に、しかもずっと楽に頭にインプットしやすくなっていきます。
従来の学習法：「ボトムアップ」式
従来の教育は「積み上げ式」で教科内容を教えていきます。「細かいところを理解していき、最終的に全体像がつかめるようにしていく」という方法です。教科書の最初のページから順番に教えはじめ、最初の部分が完璧かそれに近い状態になってから、次の部分に進んでいく、というやり方です。ソフィーではこういった教授法もしくは学習法を「ボトムアップ」と呼んでいます。
「ボトムアップ」式の長所と短所
この方法はたくさんの生徒たちに機械的に物事を教えていくのには適した方法です。全員が同じ進度で、または同じ順番で進んでいくので、教える側としては生徒たちの学習状態を把握しやすく、教える内容に漏れや抜けが出にくく管理しやすいのです。
私たちは学校教育でも従来の学習塾でも小さい時から、当たり前のようにこの「ボトムアップ」の方法に慣れ親しんでいます。ですから多くの人は、「何かを学ぶ」ということイコール「ボトムアップで学習すること」、と思い込んでしまっています。そしてその方法ばかりを行い、条件付けをしてしまっているのです。
従来とは正反対の学習法：「トップダウン」式
しかし、学習法にはまったく異なるアプローチが存在します。それは、「まず全体像を捉え、その後で細かいところを理解していく」という方法です。はじめに教科書や教科内容の全体像を捉え、その後興味があるところや気になったところから細かいところの理解を深めていく」というやり方です。
ソフィーではこういった教授法もしくは学習法を「トップダウン」と呼んでいます。
この方法は生徒たちが大量の教科内容を効率的に覚えたり理解したりするのに適した方法です。人間の脳が「全体→部分」という方向で物事を理解する方向性を持っているために、無理なく自然に学習がすすめやすいのです。
ふだん私たちはトップダウンで学習していることが多い
私たちは学校教育でも従来の学習塾でも、この「トップダウン」の方法にはほとんど触れません。ですから多くの人はこの方法で学習することに抵抗感を持ったり、これは遊んでいるだけではないか、と感じてしまったりします。
しかし、実生活では私たちは無意識のうちにこの「トップダウン」の方法で物事の記憶や理解を行っています。
たとえばあなたが何らかの理由である歌を覚えようとするとしましょう。あなたはどのようなアプローチでその歌を覚えようとするでしょうか？
おそらく最初はその歌を全部通して聞いてみて、全体の「感じ」をつかもうとするでしょう。そしてその後で、サビの部分だけを歌ってみたり、耳に残っているフレーズだけを歌ってみたりして、最後にまだ覚えていない細かい部分を覚えようとするのではないでしょうか？これまさしく「トップダウン」の方法です。
これを「ボトムアップ」で覚えていこうとしたらどうなるでしょうか？歌の全部を通して聞くことなしに、最初のフレーズから順番に覚えていき、最後まで完璧に覚えきるとようやく歌の全体像がわかる、というやり方です。おそらく誰もがこういった方法では効率的にその歌を覚えることができない、ということが直感的に分かるでしょう。そして「トップダウン」の方法の方がより自然に効率的に覚えられる、ということが理解できるでしょう。
「トップダウン式」の欠点
ただ、この方法だと教える側としては個々の学習部分がバラバラになったり、前後したり、気分で変わったりするために管理が難しくなってしまいます。ですから従来の塾では管理しやすいように「ボトムアップ」の教授法が行われています。（もしくはあまりにも「ボトムアップ」の方法に慣れ親しんでいるため、それ以外の方法を思いつかない、ということもあると思います）
「トップダウン」式の欠点はIT技術などでカバーできる
しかし、ソフィーでは記録方法やミーティング手法の工夫、IT技術の活用などによってこの課題をクリアし、学習塾において「トップダウン」の教授法での生徒指導が可能にしているのです。たとえばソフィーでは「模試トライアル」「入試トライアル」と呼んでいる学習法があります。これは最初にいきなり模試の過去問や入試の過去問に手を付けてみて、それによって入試の出題傾向や自分の弱点などをつかみ（トップ）、その上で自分が手を付けやすいところや、気になるところから細かく学習していく（ダウン）、というやり方で、学習効果を上げるのに極めて効果的です。
実力テストの点数を上げるのは、範囲が広いためかなり難しいのですが、ソフィーの生徒たちはこのやり方で実力テストの点数も確実に伸ばしています。
「トップダウン」式の学習法の応用範囲は極めて広い
この「トップダウン」の学習法は、学校でのテスト勉強に有効なだけでなく、大人になってから何か新しいことを学んだり身につけたりするのに非常に有効な学習法です。基本的に大量の情報を処理し身につけていくのに適している方法ですから、例えば語学習得などにも有効ですし、その他ありとあらゆる現実社会の知識を身につけていく上で役に立ちます。
私の知る限りこの学習方法を体系的に教えてくれる教育機関は今のところほとんどありません。ですからソフィーでこの方法をしっかりと身につけておくことは、将来にわたって生徒にとって非常に有益なスキルになっていくでしょう。
「ソフィー学習塾」塾生の保護者へのお願い
この「トップダウン」のアプローチは保護者の方も馴染みがないために、違和感を感じ、ソフィーで「トップダウン」に馴染みはじめている子供に、つい親が家庭で「ボトムアップ」の学習法を強いてしまうことがあります。
もしソフィーでの指導方法に違和感を感じたら、まずはこの「トップダウン」の指導方法に馴染みがないためにその違和感を感じているのではないか、と自問してみてください。そしてできる限りトップダウンの学習法を促進するようにアプローチしてあげてください。もし自問してみた上で、自分ではよくわからなかったり、引き続き違和感を感じるようであれば、いつでもお気軽に教室責任者にご相談ください。お電話でのご相談も面談でのご相談もご予約頂ければお時間をお取りいたします。
保護者のみなさんにソフィーの手法をご理解頂いた上でお子さんに通塾していただくことでより一層の効果が上がりやすくなります。今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。