正解選びの時代はもうとっくの昔に終了した。今は正解づくりの時代だ。
進路選択や、勉強法で迷うことって結構ありますよね。でも、なぜ迷うのでしょうか。
迷う、というのは、「どの選択肢が正しいのか」という気持ちから来ていることが多いものです。
どれかが正解で、どれかは間違っている、という「〇か×か」の考え方から迷いは生じます。
こういった〇か×かという考え方は、白黒思考といったり、難しい言葉でいうと「二元論(にげんろん)」といいますが、この思考が不幸のもとになります。
間違うことを恐れるようになり、不安が常に生じることになるからです。
しかし、どこかにある正解を探す、という時代は、すでに終わっています。
変化に富んだ現代では、昨日ベストな選択肢がすでに今日にはベストでなくなっていたりします。同時に、昨日には最悪の選択肢でも、今日にはベストであったりします。
つい6~10年前の就職市場から考えてみましょう。
文系では、電通などの広告代理店や銀行などの金融業、ANAや日本郵船などのインフラ的な運輸業が軒並み安定・高収入、と言われていましたが、これらの企業・業界でも、すでにリストラが当たり前になっています。
理系でも、エネルギー系企業や重電、化学メーカー、日本車メーカーが高収入・安定企業の筆頭でしたが、脱プラスチックや脱炭素社会化の流れから、今までの利益を失いかねません。
かたや、10年前は流行り言葉ではなかったキャッシュレスやAIの話はとどまることを知りません。再生医療が志望進路に挙がるのも、2012年に山中教授がiPS細胞の技術でノーベル賞をとったからでしょう。
働き方でいうと、私よりちょっと上の世代で言えば場所に囚われない働き方の「ノマド」や「フリーランス」が流行った世代ですが、リモートワークが普及し始めた今は、会社員に戻る数も増えているようです。また、リモートワークが普及し始め、直接のやり取りが少なくなった今だからこそ、実際に対面するサービスが流行っている友人の会社もあります。
もちろん、これらの話は、流行りを追え、と言っているわけではありません。プラスチックを扱っている企業であっても、より環境負荷の小さい製品を作っている会社は伸びていくでしょうし、AIを扱う企業であっても数年後に利益が上がらなくなる企業もあるでしょう。
知ってほしいのは、流行りに関係なく、物事を追求して実力をつけていくことができれば、どの道であっても正解の選択肢にできるということです。
この不確定・不確実な世界で、大切なことは、自分でベストだと思うことを考え続け、自分にとっての正解を選び続け、自分の選んだ選択肢をどう正解にしていくかです。
正解は自分で作る時代になっています。
次回に続きます。