先取り学習について私たちの考え【大学受験・高校受験】

こんにちは。ソフィー学習塾の北岡です。先行き不透明な時期が続き、お父さんお母さんも子育てに関してとても不安を感じている方が増えているようです。
今回は、先取りの必要性についてです。

結論:「先取り学習」は得意科目のみ、子どもがしたかったらするもの。原則不要です。お父さんお母さんはどっしり構えていてください。

最近「(学校よりも早い)先取り学習しないとだめなんじゃないか」という相談を持ってくる入塾前のお父さんお母さんが増えてきています。

はっきり申し上げて、先取り学習はしなくても平気です。

「先取りしないといけない」という不安に駆られる気持ちもわかります(塾に行く子多いですもんね)が、

長い目で見て「先取りが仇になる」ことも多々あります。
(日本全国の私立中高一貫名門校で難関大学の合格が独占できない事実が様々なことを物語っています。これを書いている筆者も私立中高一貫校出身ですが、一貫校はだいたい中3で高1~高2範囲の半分以上が終わるところも多いです。そんなに早いのに、成績を伸ばすことに活かせていないケースなんてたくさんあります)

ただ、これは先取りが無意味というわけではありません。

子ども一人一人にあったペースが必要、ということです

勉強が大好きで、得意科目などで学校の授業内容が簡単すぎるなら「先取り」がその子のペースに合っています

しかし、学校の授業を聞いて難しかったり、ちょうどいいレベル、と子ども自身が感じているなら、先取りなんてする必要がありません

むしろ、復習と定着を大事にすべきです。
(どうしてもなにかしら先取りしたいなら、得意科目と英単語・熟語をおすすめします。)

実際に、ここ3年のソフィーの卒業生で、

いわゆる上位大学(こういう言い方好きではないですが)に合格した生徒は、
小学生~高校生まで「先取りをした経験なんてない」生徒達ばかりでした。

どの生徒も、
家から一番近い学区内の公立中学に行って、
高校受験をし「先取り学習なし」で大学受験しました。(一部の生徒はもはや後追い学習くらいでした。)

それでいて国立で言えば、旧帝大(東北大・北海道大)、地方国立(埼玉大、信州大、新潟大)等々に合格しています。

(*ちなみに、学校の授業プラスアルファの独学・自学が必要ないというわけではありません。先取りしない、というのは、学校の授業だけの勉強をする、ということではなく、あくまで「学校で習う前の未習範囲を、予習で理解しておく必要はない」ということです。志望校にむけての学校以外の学習内容演習は各自必要です。難関私立大を目指すなら英語はかなり学校外の勉強をやる必要があります)

現高校3年で全国模試上位5%に入る生徒も、誰も先取りなんてしていません。

通っている高校の進度についていき、勉強をしっかり復習・理解することを第一に過ごしてきました。

周りの生徒が先取り学習で息切れしている間に、既習済みの単元を、志望校向けの学習で強化していただけです。

こういった成績を残している生徒達に共通するのは、無理に苦手科目を先取りするのでなく、一歩一歩コツコツ知識や技能の習得の積み重ねを大事にすることです。

そして、自分の満足のいく成績をとっている生徒達には別の共通点があります

それは、周囲の学生が先取りで息切れしている間に、
自分の好きな勉強、探究活動を好奇心赴くままにしていることです。

好きな小説を読みふける、ダンスを研究する、漫画をひたすら読む、英語のYouTubeを見る、韓国語を覚える、でも、
なんでもいいんですが、

「自分にとって大事なことを極める時間」を過ごしています。

自分にとって大事なことを極める時間を過ごしているからこそ、
受験本番でも自らの頭で考え、色々なことに応用が利く柔軟な知性が育っていきます

もちろん、前半にも書きましたが、
好き・得意な科目で、学校の授業が簡単すぎるなら、先に進むのもありです。

むしろ、好奇心がより旺盛になるかもしれません。

しかし、「周りよりも遅れてしまうと子どもの自己肯定感(自信)が下がるんじゃないか」という理由での先取り学習はおすすめしません。

子どもの自己肯定感は、成績には本来は左右されません。
成績に自己肯定感が左右される時点で、その子の自己肯定感はすでに低い状態です。

自己肯定感が高ければ、成績が上がろうが下がろうが自信に影響ありません。成績を取れたら「やっぱ私すごい!」であり、成績がとれなくても「おかしい、次はこう改善して頑張ろう!」となります。

自己肯定感を高めるには、
お父さんお母さんが「どっしり」構えて、
「苦手を克服するために先取りなんて必要ないわ。そもそも先取りなんて、塾や進学校の都合なんだから。あなたは、私たちの子なんだから、絶対大丈夫。」と安定した状態で接してあげるほうがよっぽど効果があります。
そして、自己肯定感が高い子どもは、自然と、自分自身の主体的な選択で志望校に向けて学校以外のプラスアルファの勉強をするようになります。

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