もっと楽に学習成果を上げる方法:「わんこそば効果」

たとえば英単語を覚えるときに、多くの人は1回目で覚えられないと「私は頭が悪いからダメだ」などと思ってしまいます。しかし、そんなことはありません。1回で全部覚えようとする学習法はむしろ効率が悪いもの。そうではなくソフィーで「わんこそば効果」と呼んでいる手法を使ったほうが、圧倒的に効率よく楽に覚えることができるようになります。

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【問題】「1回で覚えられないといけない」と思い込んでしまっている

多くの人は何かを覚えるときに、「1回で覚えられないといけない」と無条件に思い込んでいます。もしかするとこれは学校教育の中での条件づけのせいなのかもしれません。

たとえば英語を勉強しようとして、英単語の本を買ったりします。そして1時間ほど集中して覚えようと頑張ります。でも、1時間経っても覚えられない単語が結構ある。「ああ、自分は記憶力が悪いんだ」そう思ってうんざりしてきます。やがて覚えられないという事実がストレスとなり、英語の学習をあきらめてしまう・・・。もしかしたらあなたにも、こんな経験一度や二度はないでしょうか?

記憶に関するワーグナーの実験

しかし、実はこういう「一度に覚えようとするやり方」は、合理的ではありません。それを証明する実験があるので紹介しましょう。科学者のロバート・ワーグナーという人が行った実験です。

この実験では学生のグループを2つに分け、それぞれに単語のリストを暗記するように指示しました。1つ目のグループは「詰め込み勉強グループ」です。このグループは連続した時間の中で何度も何度も単語を見せられました。2つ目のグループは「小分け勉強グループ」です。このグループは一度に連続した時間学習することは許されず、何回も何回も途中に休憩を入れて、単語を覚えさせられました。どちらのグループもトータルの学習時間は同じです。
実験結果は明白でした。2つめのグループは1つめのグループに比べて圧倒的に多くの単語を記憶できていました。それどころか1つ目のグループは、2つ目のグループと比べ明らかに学習を司る前頭葉の活動が低下していたのです。(“Brain Rules”より)

この実験を見ると、何かを覚えたい時は一気に覚えようとするのではなく、少しずつ時間をおいて覚えるようにした方がいい、ということがわかります。

たとえば先ほどの「英単語を覚える」ということの例で言えば、1時間集中してやるよりも、10分の学習を6回に分けて行った方がずっといい、ということです。10分やって、お掃除をする。また10分やって、今度はコーヒーを飲む。さらに10分やって、次はトイレに行く。そしてまた10分やって、それからご飯を食べる。こんな感じで学習をした方が覚えるためには圧倒的に効率が高いのです。

【解決策】「わんこそば効果」を使え!

この原理がわかると「覚えられない」ということがストレスにならなくなってきます。覚えられないのは記憶力がないからではなくて、時間を空けて繰り返していないだけだからです。時間を空けて休憩したり他のことをしている間に脳は情報を処理し、整理しています。ですから、一気に覚えてしまうよりも休憩を挟んだ方が効率が圧倒的にいいのです。ですから、ソフィーでは問題プリントを小分けにして渡したり、単語を学ぶときに短い時間で何度も繰り返して覚えるように指導したりしています。

wanko-catこの方法は、「わんこそば」が小分けにしてあるために普段よりたくさん食べられる、という効果と似ていることから、ソフィーでは「わんこそば効果」と呼んでいます。この方法が理解できると、細切れの時間が有効に使えるようになってきますので、忙しい人ややりたいことがたくさんある人に、実に利用価値のある方法です。

ぜひまずは保護者の方から、ご自身の学習や仕事に活用してみてください。きっと今までよりも楽に効果が上がりやすくなるはずです。

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