「教わる」ではなく、「学ぶ」!~生徒がスタッフに教える効果~

こんにちは。ソフィー学習塾の北岡です。
ソフィーは「スペースをつくる」ということを、学習のキーとしています。「スペース」が、心やあたまにできてくると、本来、自分が取り組むべきことに集中できてきます。

今回は、スペースを作るために、スタッフが日常的にしている「教える」以外の役割をひとつご紹介します。

「他人に教える」勉強法。ソフィーならではの効果とは?

写真は、男子生徒が、女性スタッフ(理系専攻)に社会科目の勉強した内容を教えています。人に教えることは学習の定着に効果があることが知られています(参考:ラーニングピラミッド)が、今回のこの2人の関係には、ただ同学年の友達に教えるだとか、年下に教えるとか、社会科目に詳しい先生に確認のため聞いてもらう、とは別の効果が期待できます。

効果的になるポイントは以下の3つです。

  • 社会に「詳しくないスタッフ」であること。
  • 「論理力がある」スタッフであること。
  • 友達ほど親しくない「ほどよい距離感」であること。

 

社会に詳しくないスタッフであることの効果

女性スタッフは理系科目を専攻していることもあり、生徒が説明している内容の正しさは厳密なところまで判断できません。これによって、生徒は「これから言うことを『否定』されるかもしれない」という恐怖がなく、とりあえず挑戦してみよう、という気持ちで教えることができます。もちろん、ただ「詳しくない」だけでなく、長い時間をかけて築いた信頼関係が背後に必要です。ただ単に「詳しくない」スタッフが、スタッフの興味本位だけで「知らないから教えて~」という気持ちで近づいても、生徒にとってはスタッフと年が離れているぶん「この人いきなりなんなの?」という不審な気持ちが勝ってしまいます。しかし、信頼関係を築いてからであれば、生徒の「挑戦してみよう」という気持ちが出るので教えてもらうことが効果的になります。そして、自分よりも年上のスタッフに上手に説明できた経験は、自信や自己肯定感につながっていきます。

論理力があるスタッフであることの効果

女性スタッフは、社会科目の細かい知識がありませんが、今までの人生経験で得たある程度の知識と、大学教育でトレーニングされている論理力が備わっています。そのため、自分の理解や直観と異なるところ、説明として違和感のある所を、なんとなく、ではなく、論理性を持って質問することができます。スタッフが論理を求める質問を投げかけることによって、生徒は自分の理解のあいまいな部分や、論理的であるとはどういうことか、を体験として学んでいきます。

ほどよい距離感であることの効果

友達くらい親しいと、間違っていたことを教えてしまっても「ごめん、間違えてた~、勘違いだったわ~。正しくはこうらしいよ。」くらいのやりとりで終わったり、もしくは間違えていたことを教えたあと、正しいことがわかったときにも「わかったこと教えたほうがいいかなあ…。まあいいか。」といって、新しく知ったことを教え直すことをしない場合もあります。しかし、「ほどよい距離感」のソフィーのスタッフに間違えたことを教えた場合、多くの生徒が「すみません、あれ、間違いでした。正しくはこうでした。多分間違えたのはこういった勘違いがあったからだと思います。」や「この間話したアレ、本当はこういうことらしいです。教えた後で不安になって確認したらやっぱり違いました。」というやりとりが見受けられます。自分の力で「なんか説明したことに納得がいかないなあ」と思い、「調べてみよう・勉強してみよう」となり「自分の間違えを修正しなくちゃ」という自己修正を自動的にしていく能力は、スタッフとの信頼関係と距離感で作り上げられるものです。こういった、自分で学んだことを人に説明してみて、納得いかない場合調べたり勉強をして、勘違い・認識違いを自己修正していく能力は、ただ点数を取ることよりもよっぽど大切な能力だと私たちは考えています。そして、その能力も環境が整っていれば、学生のうちから練習することができます

最後に

今回は、科目に詳しくなくも論理力のあるスタッフに教えることで、自信・自己肯定感・論理力・自己修正能力を身に着けられる、という側面をお伝えしました。
もちろん、生徒の説明の中で、致命的な勘違いや誤解があるとき、緊急性が高いときは、他のスタッフが、「それは、ちょっと違うと思うから一旦○○というキーワードを調べてみたら?」というような形で、フォローしています。間違えを恐れずに取り組むには、間違えても致命的なダメージを受けない環境が必要だからです。