ソフィーと他塾との「構造的」違い: 短期志向vs長期志向

ソフィー学習塾が他の塾と異なる点はたくさんあります。今回はその中でも最も幹となる構造的な部分について説明していきます。この構造的な部分は生徒の人としての成長に大きく関わってきます。この部分はちょっと見ただけではわかりにくいのですが、説明を聞いてからよく見ると根本的に違うのがわかってくるはずです。

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従来の塾は「短期志向」に陥りやすい

従来の多くの塾は一定の年齢層に特化して指導を行っています。長岡で一番多いのは高校受験に特化した塾でしょう。大学受験に特化した衛星放送を使った予備校も最近は増えています。長岡にはまだないと思いますが、首都圏には中学受験に特化した塾も数多くあります。このような塾の形態は経営的には非常に合理的です。特化しているのでノウハウの範囲は限定されますし、その蓄積もしやすいからです。またマーケティングをする際にもアピールがしやすく集客の際に有利です。もちろんこのように一定の年齢層に特化している塾は生徒や保護者にとっても魅力的です。その塾が提供している価値が比較的明確ですし、短期間で成果が出やすいように見えるからです。

しかし、経営的に合理的であるこのような一定の年齢層に特化した塾は、実は大きな問題点をはらんでいます。それは生徒を指導する際に「短期志向」に陥りやすいというものです。

具体的な例と「短期志向」に陥りやすいしくみ

たとえば高校受験に特化している塾は目先の高校受験に生徒を合格させることが至上目的でしょう。するとそこで働くスタッフたちはあらゆる手段を使って生徒の成績を上げさせ、志望校に合格させ、それによって生徒や保護者を満足させようとします。

ところが彼らは、不自然に成績を上げさせたその生徒たちが「高校に進学してからどうなってしまうか」にはほとんど関心を持ちません。なぜなら自分たちが指導した生徒たちは高校生になればその塾を卒業してしまうからです。生徒たちが高校生になった時、中学生の時の指導がどのような結果として現れるのかを知る機会がほとんどないからです。

その結果、彼らはどんどん短期志向に陥りやすくなっていきます。極端な塾だと、たとえば叱りつけたり怒鳴りつけたりしながら宿題などを強制的にさせたりしてしまったりします。(実は、私がサラリーマン時代に勤めていた塾は残念ながらそうでした)そして短期的には成績は上がるけど、長期的には学ぶことへの意欲をなくしている人間を育ててしまったりしまいます。

いわゆる「個別指導塾」も基本的なしくみは同じ

いわゆる一般の個別指導塾などは小学生から高校生まで受け付けているところも多いですが、小学校の時に関わる先生と中学生・高校生に関わる先生は別々ですから、基本的な構造としては同じです。

小学の時に担当している先生はその生徒が中学生・高校生になれば担当が替わってしまいます。そもそも生徒たちを教えている先生の殆どはアルバイトで、おそらくその生徒が高校生を卒業する頃にはその塾にはいないでしょう。ですから彼らは今その小学生や中学生の生徒にしていることが高校生になった時にどのような結果をもたらしていくか、などとはほとんど考えもしないでしょう。もし良心的な学生アルバイトがそれについて考えてみたとしても、経験がないために何をしたら良いのかほとんど見当がつかないはずです。

ソフィーの解決策:長期志向が働きやすいしくみ

このような問題点を解決するためにソフィー学習塾の塾としての構造は設計されています。

小学生から大学受験まで長期間同じ教室に通えるしくみ

outlook-of-roomソフィー学習塾では小学低学年から大学受験生までが通うことができます。そしてソフィーではとくにスタッフによって「担当する学年」というのを設定していません。もちろん得意な学年や教科というのはそれぞれのスタッフに存在するのですが、たとえば高校の数学を教えるのが得意なスタッフは小学生の国語を教えない、などということはありません。そのため学年が上がっても、小学生が中学生になっても、中学生が高校生になっても生徒は同じスタッフと長い期間に渡る人間関係を保ち続けます。それにより長期間に渡り育まれた人間関係の中で安心して学習を続けることが出来ます。

スタッフが長期志向になりやすいしくみ

またスタッフは生徒と長期間の関係を持ち続けることにより、より自然に長期的な視野に立ってサポートをするようになります。例えば小学生の時に何をすることが高校生になってからどう生きてくるのか、という事に関する経験も自然にたまっていきます。ですから短期的な成果を出しつつも、同時に長期的な成果を出せるサポート能力もどんどん向上していくのです。

実際に多くの生徒が長期間通い続ける

こういった根本的な塾としての構造の違いにより、ソフィー学習塾は短期的な成果だけではなく、長期的な学ぶ力の向上が生徒に起こりやすくなっているのです。そしてだから実際に小学生の小さい時から大学に入るまで10年近く通い続ける生徒も数多くいたりするのです。

私たちの取り組みの意図と未来予想図

よく考えて見れば、長期的な成長を生徒に望むのであれば、教師は長期的に生徒に関わっていくことはあたりまえです。しかしそのような取り組みをしている塾は日本全国を見回してもほとんどまだ見当たりません。

私たちはこのような取り組みをする教育機関が今後増えていくことを期待しつつ、ひとつのサンプルケースとして多くの教育関係者のヒントになれば、という思いを持ちつつ取り組みを続けています。そして将来的にはソフィーのように長期思考に基づいた設計の教育機関が当たり前になるようにしていきたいと考えています。