新時代の大学入試に備える②~どう伝える?主体性・多様性・協働性~

こんにちは。ソフィー学習塾の北岡です。
前回は、今後すべての入試で「主体性・多様性・協働性」が重要になることを書きました。
今回は、その「主体性・多様性・協働性」を伝える必要があるとき(たとえば特殊な入試形態)に備えるための内容です。「主体性・多様性・協働性」を伝えるために必要な経験とは何か、のヒントです。

伝え方・経験に関する勘違い

伝え方・経験に関する「勘違い」の視点からお伝えします。これらの勘違いを持ったままだと、方向性を誤ったまま準備してしまうからです。

勘違い① 引っ張るタイプのリーダーシップ、まとめ役の経験が有利だと思っている

最近は、リーダーシップの定義が様々です。学部に関わらず、大学の先生たちであれば、チームワークや組織論についてしっかりと知見・意見を持っていると思います。

そのため、多くの中高生の持つリーダーのイメージ、たとえば、まとめ役や周囲を引っ張るリーダーシップ、みんなの中心的存在で目立つ発言者のキャラクターが有利だと思っていると、自分の特性を生かせないまま「一般受けしそうな活動」に時間を割いてしまうでしょう。

プロスポーツチームのキャプテンや、身近なアイドルグループ、漫画のキャラクターを見ても、リーダーシップは様々です。

自分にとってリーダーシップとはなんなのか、自分がリーダーをやる場合、どういうキャラクターでチームのバランスをとっていくかということを考えて活動することが大事です。

勘違い② 留学やイベント開催・イベント参加をすることが主体性だと思っている

次に、イベント開催・参加や留学が主体性のアピールだと思って、次々に参加・開催することが加点要素だという勘違いです。たしかに、留学やイベント開催は、他受験生との差別化はしやすいものです。

しかし、大切なのは「どういう気持ちで参加・開催し、何を学びとして得たのか」ということです。

他人と比べて目立ったり、お金がかかることをやったとしても、得た学びが少なければ、主体性のアピールどころか浅はかさ、学ぶ能力のなさ、の逆アピールになってしまいます。

他人と同じようなことしかしていなくとも、深い学びを得るような気づく能力が高い生徒の方が大学側としては欲しいはずです。大学も、色々な研究に予算を使います。フィールドワーク(実地調査)、研究施設を使わせて、「1」学ぶ生徒よりも、同じ経験で「10」学ぶ生徒が欲しいのです。それに、大学側もバカではありません。お金をかければ誰でも手に入るような経験をしただけで、加点評価などしませんし、面接をして話せば、本心で学びたい気持ちから行動しているのか、それとも親や周囲にいる大人の意思や計らいで行動したのかは、まともな人間には見抜かれます。

勘違い③ 習い事を増やせばいい

そして、受験のアピールのために習い事を増やす人こともあると思います。これも本末転倒になり、面接書類作成や面接時に、逆効果に働く可能性もあります。

大事なのは、「なぜその習い事を続け、なにを学び自分がどう変わったか」です。

これを読んでいる学生の中には、「親が続けろと言っているから続けている・習い始めた」という人もいるでしょう。親の意思で続けているとしても大丈夫です

自分の意思とは異なることを強いられている環境からも、学べることがあるはずです。なぜ親は「続けろ」というのかを考え、その意図を汲むことで始めて見えてくるものもあります。

「主体性・多様性・協働性」伝えるためにどうすればいいのか

ここまで読んできた人は、もう伝え方のヒントが見えてきたのではないでしょうか。

最も近道なのは、「主体性・多様性・協働性」とは自分にとってなにか、を考え続け、日々の出来事から学び続けることです。

自分で目的や意図を考え、自分でロジック(論理)を作り、そのあとで振り返って学びを意識に上げる。

そうすることで、特別、人と異なる経験や大金をかける経験をしなくとも、個性的なアピール内容は出来上がってきます。

最後に、ソフィーでは、特殊な入試形態に備えて、志望動機や学生生活経験の内容や書き方・伝え方の相談を日々のやり取りの中で行っています。
一般入試以外でもお困りの際はぜひご相談ください。