子供を「自信を持った人」に育てる方法

どの親も子供には「自信を持った人」に育って欲しい、と願っていると思います。では、どうすればそういう大人に子供を育てていくことができるのでしょうか?今回は家庭でもできる、そのためのちょっとしたコツを紹介しましょう。

『聖なる予言』との出会い

聖なる予言』という本をご存知でしょうか?
41285EDCFHL1993年にアメリカで出版されベストセラーになり、日本でも1995年に翻訳されベストセラーになった本です。

当時はバブルが崩壊して少し経ち、「『心の時代』が到来した」と言われて、スピリチュアル系の本が売れはじめた頃。
一般的なアメリカ男性である主人公が、偶然に導かれて南米へ行き、「9つのメッセージ」を見つけていく、という内容です。この本は当時日本でもかなり話題になったので覚えている方もいるかもしれません。

私は日本で発売直後、新宿で、友人と待ち合わせの場所へ向かっている時に、そこの紀伊国屋書店でこの本が平積みになっているのを見つけ、ピンと来てその場で購入したのを今でも覚えています。

さすがに、読んでから20年近くも経っているので、詳しい内容はほとんど忘れてしまいました。でも、なぜか、ひとつだけ頭の中にはっきりと覚えている場面があります。

20年後も心に残っている本の一場面

その本のどんな場面だったか、どんな脈略だったか全く覚えていないのですが、それはある女性が子供(息子or娘?)を連れて主人公の男性の前に現れる場面です。その子供はまだ小学生の低学年くらいだったと思うのですが、まわりの大人たちがその子に話しかけると、すごくしっかりとした受け答えをして、まわりの大人たちを感心させます。

それを見て、まわりの大人の1人がお母さんである女性に「どうしたらこんなすばらしいお子さんが育つのですか?」と聞きます。それに対し、女性は答えます。「それは子供を大人扱いすることです。子供を大人のように扱えば、子供は自分に自信を持った子供に育ちます。」

このイメージがソフィー学習塾の基本コンセプト

うる覚えなので記憶違いの部分もあると思います。こう書いていて、これはもしかして『聖なる予言』の続編、『第十の予言』の場面だったかな?という気もしてきました。まあ、ただここではどこにそれが載っていたのかはあまり大切ではありません。

当時私は22〜3歳。もちろん子供も持っていなかったのですが、なぜだかこの言葉が印象に残り、その後も頭の中に残り続けました。たぶんこの言葉とイメージが、のちに「ソフィー学習塾」という、他とは違ったスタイルの学習塾を開くことに影響を与えていると思います。

ソフィーの基本的な発想は、学ぶ側を中心にの場づくりをする、つまり、「生徒を大人扱いする」というところにあります。それが結果として本人に自信を与え、自信が出てくることで「成果」がでるようになり、「成果」が出ることで自信がさらに深まり、、、というサイクルが起こります。

子供を「大人扱い」しよう

この「生徒を大人扱いする」という取組は、言葉で言うことは簡単ですが、実際にこれを行なっていくのは決して簡単ではありません。継続的な工夫がまず必要となります。そして一定の忍耐力も大切です。

特に子供が大きくなり、たとえば受験の追い込みの時期になってきたりすれば、親も焦りが出てきますし、子供の様子を見ていてイライラもしてきます。そういう時につい、子供を「子供扱い」した言い方をしてしまいがちです。

でも、ちょっと我慢して欲しいのです。子供扱いされた子供は、子供っぽい振る舞いを続けやすくなります。もしあなたが子供に成長して精神的な「大人」に育って欲しい、と願うのなら、子供をどんな時も「大人扱いするのだ」と心に決めてください。そしてそのように言葉を選んでみてください。

最初はちょっとふざけ気味でもいいので子供に丁寧語を使ってみるのも面白いかもしれません。「◯◯さんは、今日、勉強するのにお母さんに手伝って欲しいことはありますか?」(←例)

「大人扱いする」というのは「放っておく」とか「好き勝手やらせる」ということではありません。相手を尊重した上で、良い方向へ促してあげたり、サポートしてあげることが「大人扱いする」ということです。ポイントは「相手の立場に立つ」ということです。

いずれ何十年もたてば親も年老いて、今度は反対に、子供に面倒を見てもらう時も来るかもしれません。その時に自分がしてもらいたいと思う言動を、相手にしてあげれば良いのだと思います。

テストや受験が絡むと難しく感じることもあるかもしれません。でも、逆にそういう時こそこういったことを意識すれば、子どもとの良い関係性を育てていく最高のチャンスになりえます。ぜひ試してみてください。