「学力」が上がっても「学ぶ力」は下がっていく人たち

今回はよく巷で使われる「学力」という言葉について、私たちの考え方をお話ししていきます。現在の日本では「学力」という言葉の使い方が混乱してしまっていて、そのためにいろいろな問題点が起きてしまっている、と思うのです。
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【問題点】「学力」は高いのに「学ぶ力」は低い人は多い

社会に出ると、いわゆる「学力」は高いのに残念ながら「学ぶ力」は低い人が少なからずいるとうことに気がつきます。偏差値の高い大学を卒業していたり、TOEICの点数で高得点をとっていたり、難しい国家試験にたくさん受かっていたりするのに、仕事を一緒にしてみるとなかなか仕事の覚えが悪かったり、要領が悪かったり、融通が効かなかったりするのです。
どうしてなのでしょうか?どうしてテストの成績は良いのに、社会に出るとその能力を発揮できなくなってしまう人が出てきてしまうのでしょうか?

【原因】「学力」の定義が混乱してしまっている

こういうことが起こるひとつの原因は「学力」という意味の定義が、日本の中で混乱してしまっているところにある、と私たちは考えています。「学力」はその字のまま解釈すれば「学ぶ力」を本来指しているはずです。しかし日本人の多くは「学力」イコール「点数」(もしくは「成績」)である、と混乱してしまっています。これは間違った思い込みです。よく考えればわかることですが「点数」と「学ぶ力」は違うものです。あるテストで「点数」が上がったとしても、無理やり勉強させられたりしていれば学習意欲やその分野に関する興味は結果的には失われ「学ぶ力」は下がってしまう、ということはよくあります。

誤:「学力=点数」
正:「学力=学ぶ力」

現代の社会で人々に求められているのは「学ぶ力」です。「点数」ではありません。

以前は社会に出てひとつのことを覚えたらそれだけで30年は食べていけた時代もあったのかもしれません。しかし今は違います。新しい技術は次々と生まれ顧客のニーズはめまぐるしく変化していきます。そんな中で私たちは次から次へと興味を持って新しい技術を学び、変化していくニーズの情報を集め続け、自分を成長させ続けていく必要があります。

こういう時代の中では「過去に何を学んだか」とか「過去に何ができたか」はあまり重要ではなくなってきています。それよりも「これから何を学べるか」「これからどんな可能性を持っているか」「これからどれだけ『伸びしろ』があるか」の方が圧倒的に重要になってきているのです。

それなのにいつまでも「学力=点数」と教える側も教えられる側も思い込んでしまっていて、間違った努力をしているのが大きな問題なのです。そして、子供に無理矢理勉強させて「点数」だけを上げさせようとし、その結果「点数」は上がっても学習意欲は失われ「学ぶ力」があまりない大人に育ってしまったりするのだと思います。

【解決策】「学力」の定義を再確認し、「伸びしろ」を作ることを重視すべし

ではどうすればいいのでしょうか?

私たちはまず「学力」の本来の定義を再確認することが必要である、と考えています。「学力」は「点数」のことではなく文字通り「学ぶ力」を指すものであり、「学力テスト」のようなテストの点数で測れるものではないということを改めて確認し直すところからスタートするのが大切だと思っています。

こう言うと「学校の勉強なんてどうでもいい」「テストの点数なんて悪くても良い」と言っているように聞こえる人もいるかもしれません。しかし我々が言っているのはそういうことではありません。テストの点数を伸ばし、それをきっかけとして学ぶ力を伸ばしていく方法というのはいくらでも存在します。テストで点数を出すのが悪いことなのではありません。そのテストの使い方とか点数の解釈の仕方がおかしいだけで、それを直せば学校のテストも入学試験もTOEICも様々な国家試験も「学ぶ力」を伸ばす道具として十分に使えます。

ただどんな便利な道具も使い方によっては人を傷つけることもあるし、害を及ぼすこともあります。たとえば人にとってこれほど便利な「火」というものも上手に使えば暖を取ったり美味しい料理を作ったりするのに役立ちますが、使い方を間違えればやけどをしたり火事を起こしてしまったりします。学校のテストも全く同じです。

幸いにして人間の脳は「学びたがり」です。最新の脳科学の研究では人の脳は常に学習を続けたがる性質を持っており、その性質は大人になってもなくなることはないそうです。この本来人間が持っている脳の性質にブレーキさえかけなければ人は何歳になっても学習し続け成長し続けることができるのです。

学校のテストや入試も上手に利用すれば、その脳の性質にブレーキをかけずに上手に利用することができる基礎を身に付けることができます。テストで点数を取ることは究極の目標ではありません。それ自体は道具であり、きっかけです。そのことを認識して上手に取り組めばそれは「学ぶ力」を伸ばしてくれるものとして利用していくことができます。そしてまさしくそれがソフィー学習塾で行っていることであり、他の「学力=点数」ととらえて取り組んでいる塾との明確な違いです。

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