子供のやる気を促すコミュニケーション法:「サジェスチョン・メソッド」

子供に「勉強しなさい」と言っても子供はなかなか素直に勉強してはくれません。でも、言わなきゃきっとずっとやらないし・・・。でも、言えば機嫌を損ねてやる気を無くしてしまうだろうし・・・。こんな時、親は一体どのような声がけをしてあげるのが良いのでしょうか?

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【内容の要約】

  1. 【問題点】子供に「勉強しなさい」と言っても勉強してくれない
  2. 【解決策】「サジェスチョン・メソッド」を試すべし
  3. 【例1】よくある失敗パターン
  4. 【例2】サジェスチョン・メソッドを使ってうまく行ったパターン
  5. 使い方のコツ

【問題点】子供に「勉強しなさい」と言っても勉強してくれない

「うちの子、家でぜんぜん勉強しないんです。」そう感じて気をもんでいるお母さんもいるかもしれません。でも、「勉強しなさい」と言っても、子供が「わかりました!」と言ってやる気満々で机に向かう訳ではありません。むしろ「勉強しなさい」と言ったことで、やる気を失わせてしまうことも少なくないでしょう。こういう時いったいどうしたらいいでしょうか?親として子供にどんな言葉がけをしてあげるのが良いのでしょうか?

【解決策】「サジェスチョン・メソッド」を試すべし

このような時、ぜひ試してみて欲しいのがソフィーでもスタッフがいつも生徒と接する時に使うコミュニケーション法のひとつである「サジェスチョン・メソッド」です。「サジェスチョン」とは英語で「提案」という意味。相手に何かをして欲しい時に「◯◯しなさい」と指示や命令を出す代わりに、「◯◯したらどう?」「そろそろ、□時だから、◯◯ したらいいと思うんだけど、どう思う?」と相手に提案してみる、という手法です。
指示や命令ではないので、その提案を受け入れるかどうかは相手の判断に任せられています。 そのため提案を受け入れたことは、「親に言われたからやる」のではなく「自分で考えて決めた」ということになります。もしかすると提案しても、すぐに行動を起こしてくれないかもしれません。でも、少し我慢して様子を見てあげると、ゆっくりと腰を上げて机に 向かうことも出てくるでしょう。

【例1】よくある失敗パターン

わかりやすいように例を挙げてみましょう。まずはよくある指示や命令をしてしまうパタ ーンから。

母 :「 タカシ!いつまでテレビゲームやってるの?宿題があったんじゃないの? はやく勉強しなさい!」
タカシ:・・・(無言でテレビゲームに夢中)
母 :「 タカシ!お母さんの話し聞いてるの?宿題先にやっちゃいなさい!(イラ
イラ)」 タカシ:「もうちょっとしてから・・・(テレビゲームを続けながら)」 母 :「あなたもうちょっともうちょっとって言って、いつもすぐにやらないじゃな
い!」
タカシ:「うるせえんだよ!今やろうと思ってんだよ!」(ムカつく。おかげでやる気
なくなったし)

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【例2】サジェスチョン・メソッドを使ってうまく行ったパターン

次はサジェスチョン・メソッドを使ってみたパターン

母 :「タカシ、そろそろ8時ね。」
タカシ:「(ゲームしながら)・・・うん。」
母 :「先に宿題やっちゃった方がいいかな、と思うんだけど、どうだろう?」
タカシ:「・・・そうだね。」
母 :「何時ころからはじめる?」
タカシ:「じゃ、8時10分から。」

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使い方のコツ

これらは典型的なパターンの例ですので、いきなりこんなに簡単にはいかないかもしれま せん。でも、我慢強く続けていると言い方も慣れてきますし、効果も出やすくなります。
この方法がいいのは、たとえ相手がその提案通りに動いてくれなかったとしても、自分も 相手も気持ちを害しにくい、ということです。指示・命令のパターンだと、相手がその通 りに動いてくれなかったら自分も気分が悪くなりますし、当然相手も気分を悪くします。 それによって相手のモチベーションをさらに下げてしまうことになります。しかしサジェ スチョン・メソッドはそれがほとんどありません。

また相手は「提案」について自分なりに考え、自分で決める、ということをしますので、 これを繰り返すことで「自分で考える」という習慣が身に付いていきます。自分で考える ことができると自分でやるべき事を考えたり、優先順位を決めて段取りを組んだりするこ とが少しずつできるようになっていきます。
非常にシンプルですが、非常に効果の高い方法です。 ぜひご家庭で試してみてください。