真のアクティブ・ラーニングと協働性①~数学ミニレクの様子から考える~

こんにちは。ソフィーの北岡です。
ここ数年、毎日のように新聞をはじめとする各種メディアで「100年人生」を念頭にした大学入試改革や中高大の接続など教育改革についての情報を目にします。
今回は、そんな情報の中で目にすることも多くなってきた「アクティブ・ラーニング」について、次回は今後ますます重要になってくるであろう「他者との協働」に関連するお話です。先日生徒主催で開催された数学のグループ学習(ミニレク)の様子を踏まえてご覧いただければと思います。

0.生徒主催のミニレクレポート

 

ソフィーでは生徒主催のミニレク(グループ学習やレクチャー)が時々開催されます。これは、主催したい生徒が「●●のミニレク今度やりたいんですけど」とスタッフに声をかけることから始まります。直近でいうと、問題を読むだけで頭が良くなるクイズ大会や、高校数学の確率についてのミニレクがありました。

写真は数学の確率についてのミニレクの様子です。高2生が主催し、高1~高3までの「生徒だけの空間」で旧帝国大学の入試問題やセンター試験問題を解いていました。今回はこの春高1になったばかりの生徒も参加することから「高校で習う数式や公式に頼らず論理で解答を見出していく」探求活動になりました。確率でよく使う「P:順列」や「C:組み合わせ」を使わずに、理詰めで解答を絞っていくやり方は、パターンに落とし込むだけではなく、問題を読み解く読解力と道筋を作る論理力が必要な、頭が疲れるものです。ですが、2時間みんなで考え続け、笑い声も絶えない時間となっていました。学校も学年も違う生徒たちですが、新たな交流も生まれたようです。

2時間に及んだミニレクは、スタッフなしの空間で完結しました。参加者7名のうち初対面どうしの生徒も半分ほどいましたが、打ち解けて学習を進める様子は感慨深いものがありました。

1.アクティブ・ラーニングとは

言葉の定義から考えると「アクティブ(active)=能動」、対義語は「パッシブ(passive)=受動」であり、学習者主導の学習をアクティブラーニングとよび、講義形式の一方向の学習のようなものをパッシブラーニングとしているようです。 学習定着率を示す「ラーニング・ピラミッド」というものがあります。

これによると、デモンストレーション(実演・実験)以下がアクティブラーニングとされています。 パッシブ・アクティブ、どちらが優れている、というものでもなく相互に役割があるので使い分けが大切です。

  • パッシブラーニングが有効なとき
  • 例えば全くのゼロから初めて学ぶ分野の学習は人から教わったほうがイメージが付きやすいかもしれませんし、自分の興味がない分野の新しい知識を得るときには、その分野に詳しかったり楽しさを知っている人から教わったほうがいいかもしれません。

  • アクティブラーニングが有効なとき
  • 知識の定着や、異なる分野の統合、燃え尽きず自身で学習を続けていくモチベーション維持などにはアクティブラーニングが優位とされています。

2.マインドセットよりも小手先の手法が先行している事実

アクティブラーニングを取り入れている、としている学校のクラス運営やその他教育機関の様子を見たり聞いたりするに、「調べ学習」や「ただただ質問がでるまでなにも教えない」や「グループディスカッションをすること」と捉えて活動していることが多いように思えます。

しかし、その調べ学習やディスカッションのテーマが「外から与えられたもの」であったり「やりたくないのにやらされている」場合は、すでに受け身、つまりパッシブラーニングになっている可能性が往々にしてあるのです。

また、ディスカッションにおいてパッシブになる癖がつくのは「先生のディスカッションに対する評価」です。「パッシブにしてしまう評価」と「アクティブにするファシリテート」は似て非なるものなので、運営側にもトレーニングが必要となります。

学びたいから学ぶ、ではなく、時間や講義の都合上、社会の要請上、やらなければならないからやる、というようなことになっていないか、確認することがとても大切です。

「形式としてやらねばならない」という社会要請に応えるのは、パッシブ=受け身、に他なりません。 大事なのは形式ではなくて、本来の意味の能動、すなわち「●●をやりたいから☆☆をやる」という気持ちからなる学びだと思います。

3. 生徒が勝手に勉強し、グループ学習も始まるような空間づくり

ソフィーはラーニング・ピラミッドでいえば、大半がデモンストレーション以下になるように運営されています。講義や視聴覚の部分は学校の授業がありますし優秀な安価なサービスも多くあるので、そこは学校で重点的に聞くようにしてもらっています(ソフィーは学校の授業を最大限生かすことに価値があると思っています。)。そうすることで、とても質の高い人間対人間の時間や、より本質に迫る質疑応答の時間をとることができています。(個人契約で利用できる視聴覚教材でいえば、Youtube、スタディサプリ、すらら、あたりが有名です。スタディサプリは安価なうえ質がよく、学校の先生、大手の予備校や学習塾の講師もこれらを見て授業していることもあります。)

 

ソフィーにいる生徒は、スタッフから何も言わなくとも課題や自学をやるようになります。「勉強をまったくやらないんです、うちの子」とお父さんお母さんが困って入塾する生徒も多くいますが、入って1~2か月もすると自分でやることを選び、何も言われずとも集中して学習できるようになっていきます。「ソフィーで勉強しているかもしれませんが、家でしないんです」というお父さんお母さんもいますが、「時期がくればするものです。家以外で勉強して、むしろ家ではくつろぎたいんではないでしょうか」とお話することも多くあります。

なぜなら私たちの知っている姿は「しっかり自分で勉強する姿」だからです。

ソフィーは、勉強をさせる塾でなく、生徒が勉強してしまうようになる塾です。

塾に来て、自分で持ってきた教材や塾にある教材を指示されずとも開き、集中して勉強します。 しかも実力テスト(模試)や定期テストも例年、総合成績で校内トップ5入りや1位、得意科目で1位になる子もいます。 それは本当の意味でのアクティブラーニングだからだと思っています。

工夫としては、空間づくりに気を配り、よっぽどのことがないと集中・安心してしまうようになっています。(特徴と実績) よっぽどのこと、はなにかというと、精神的な悩みや不安などです。そういった場合は、集中できるよう、精神的に安心できる取り組みを行っています。 ソフィー卒業後に、自ら主体的に人生を選ぶこと、自分に必要な情報を自ら集められること、そして他者との間で学び合いが当たり前となること、そういった自分を作っていってほしいと思っています。

今回の生徒主催のミニレクは、主催提案も生徒主体であることから本質的にアクティブなものだと思っています。毎日グループワークをしているわけではありませんが、自分ひとりの時間を日常から能動的・自己選択で過ごすことで、グループになったときにも能動的になれるのだと思っています。

次回は「協働」についてです。

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