ソフィー学習塾の歴史 Part3

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ソフィー学習塾の歴史 【Part3】経営の基礎構築期〜現在


【2000年〜2010年】 経営の基礎構築期

2000年ころから、当時アメリカで事業展開を始めていたAmazon.comから自分でビジネス関係の洋書を買って経営の勉強を始めるようになりました。まだ日本のAmazon.co.jpはできていなかったため、洋書を買っても手元に届くまで数週間かかる状態でしたが、これ以前は洋書を輸入するのには数ヶ月かかっていたため、以前と比べれば圧倒的に洋書が買いやすくなっていました。また何より読者レビューを頼りにして日本にいながら本を選べるようになり非常に便利になっていました。

ビジネス洋書が日本のビジネス書よりも面白いことに気がつく

私はアメリカ留学をしていたものの、留学時代は授業のテキストを読むのに精一杯で、自分の興味のある英語の本を自分で選んで読むなんてことはまったくしていませんでした。特にビジネス関連の洋書なんて手に取ったことすらありませんでした。ところがワラをもすがる思いで洋書を手に取って読み始めたところ、ふるえるくらいに面白く、そしてそこから得た知識を経営に実践してみると、本当に成果が出始めたりして感動し、ここで初めて英語のビジネス関連の本が日本の本よりも一歩か二歩レベルが高い、ということに気がつきました。また日本語に翻訳されているものでも、原書を読んだ方が圧倒的に面白く、理解度も深められることにも気がつきました。daniel2

アメリカ留学時代はテストのために英語の本を読んでいたので、内容が面白いと思って読んだことはほとんどありませんでした。しかしこの時になって自分で必要にかられて自分で選んで読んだ本は本当に面白く、なけなしの給料のほとんどを洋書につぎ込んで次から次へと読みまくりました。

もちろん洋書の内容を現実の経営の中で試してみたからといって、すべてうまく行ったわけではありません。むしろうまく行かなかったことの方がずっと多かったと思います。それでも、何を試してみたら良いのか、というとっかかりとなるアイデアが次々とでるようになっただけそれまでよりもずっとマシでした。またうまく行かなかったことの中からも学べることが次々と出てきて、失敗のひとつひとつもありがたいと感じられるようになっていきました。

(※このことがきっかけで、「洋書からはじめる英会話 ソフィー・ジ・アカデミー」の事業へもつながっていきます。)

2001年 クレド作成

この頃になると少しずつスタッフが増えてきて、スタッフ間の人間関係で様々な問題が出てくるようになりました。そこでまずは有名ホテル「ザ・リッツ・カールトンホテル」の取り組みを参考に、「クレド」という行動指針をつくりました。そして毎日の始業ミーティングの時などにシェアして仕事中に持つべき意識などを確認し合うような取り組みを始めました。

2002年 ミッションステートメント決定

クレドを作り確認し合うことによって一定の成果はありました。ただクレドはあくまで「行動指針」。「行動した先に何があるのか?」がないと片手落ちのような感じがしたので、アメリカの有名企業の多くが持っていた「ミッションステートメント」をつくりたい、と思うようになりました。ただ、なかなかピタッと来るものは見つからなかりませんでした。

ミッションステートメントを探し始めてしばらくしたある日、目黒駅のスターバックスでモーニングコーヒーを飲んでいたとき、急に”Fill the World with Joy of Learning.”という英文と「学ぶことの喜びで世界を満たす」という日本文が同時に頭の中に降ってきました。頭の左側に英文が、頭の右側に日本文が縦に平行して流れ込んできた、という、そんな感覚です。急いでその言葉を手元の手帳にメモし、長岡に戻ってスタッフたちとシェアをして彼らの反応を確認した後、この言葉を正式にミッションステートメントとして決定しました。

2004年 フィロソフィー作成

philosophy-windowさらにしばらくするとミッションという「理想」とクレドという「行動」の間に、やや大きなギャップがあるような感じがしてきました。そしてその間には「哲学」が必要だろう、という結論に至りました。そして「ソフィーのフィロソフィー」という行動の背景に必要となる物事の考え方を書き出し、共有し合うようになりました。

【2011年〜2013年】 成長期(1)

洋書を読んで学んだ経営学の様々なノウハウは、ソフィー学習塾の教え方の中にも活かされていきました。たとえばビジネスの世界のマーケティングの発想はソフィーの生徒や保護者たちにソフィーの教え方をより良く理解してもらうために役立ったりしましたし、セールスのノウハウは生徒におススメの家庭学習法を上手に伝えて納得してもらったりするのに役立ったりしました。

また、自分の経営する学習塾のために読みまくった洋書を他の人たちにも紹介したいと思って始めた事業も英会話スクールとして成果を残し始めるようになり、それが学習塾の経営にも良い影響を与え始めるようになっていきました。

その結果ソフィー学習塾は2011年頃を境に生徒数が順調に伸びるようになり、2年くらいで創業時から使っていた教室では手狭に感じられるようになりました。

【2013年7月】 新校舎「ソフィーハウス」に引っ越し

手狭になりはじめた当初は、当時の教室の隣の空き部屋を借り足して壁をぶち抜いて広くしよう、と考えていました。そして不動産会社を通じて大家さんにその旨を伝え、家賃交渉を始めました。ところが、理由は良くわかりませんが1週間経っても1ヶ月経っても大家さんから返事が来ませんでした。そこで、他の可能性を考え始めるようになりました。当然、最初の別の選択肢は「近場に別の大きめの空き部屋を借りる」というものでした。しかし、ピンと来る物件もなかなか見つかりませんでした。

幸運が重なり、建物が出来上がる

2013年の年明けすぐ、用事があって教室近くに車で出かけました。そしてなんとなくいつもと違う近道を選びました。その近道の途中左手に空き土地の看板が見えました。その時は雪が結構降っていて視界が悪かったのですが、その看板とその土地はなぜだかとてもよく目につく感じがして、車をその前に停めました。降りしきる雪の間からその場所を眺めていると、不思議と新しいソフィー学習塾のイメージがわいてくる感じがしました。私はもともとあった用事も忘れ、すぐにその看板に書いてあった番号に電話し、担当者につないでもらいました。

その土地は「売り土地」ではなく、あくまで「管理地」となっていました。話を聞いてみると土地を所有している方は「誰でもいいからその土地を売りたい」というわけではなく、「気に入った売り主がいれば売っても良い」という考えのようでした。幸いにしてその土地を所有している方は以前から近くで事業をしていた私たちに良い印象を持ってくださっていたようで、土地を売却することを決断してくださいました。

その後も私たちのような小さな会社でささやかな利益しか上げていない会社に地元の最大手の銀行が奇跡的に融資してくれたり、半年弱という無理な短納期でお願いしなければいけないスケジュールに結果的になってしまったにも関わらず、住宅メーカーの担当者の方の優秀な手腕によって、これも奇跡的に納期にぴったり間に合ったりと、幸運なことがいくつも続き、新しい場所に7月15日に引っ越しました。sophy-house-night

この長岡校の建物は私は個人的に「ソフィーハウス」と呼んでいます。経営者の私だから思うのかもしれませんが、一歩引いて客観的に見ても特有の雰囲気のある建物で、それほど強い自己主張はしていない外観ですが、あたりの雰囲気をパッと明るくするデザインになっています。また、ロケーションも以前小泉純一郎元首相が所信表明演説の時に取り上げて全国的にも有名になった教育に関する寓話「米百俵」の流れを汲む長岡の名門校・長岡高校の正門の前にあり、「長岡のこの場所から日本や世界へ新しい教育のあり方を広めたい」という思いをいつも思い起こさせてくれます。

【2013年〜現在】 成長期(2)

ソフィーハウスが出来上がったことで私たちは大きなステップアップをすることができました。もともとソフィー学習塾は「学習環境」を非常に重要視しています。より学習意欲をかき立てられる学習環境の追求は創業当初からの重要なテーマでした。しかし他の人がつくった建物の中の貸し部屋では、できることは限られていました。それが自前の建物をつくれたことによって自由度が増し、さらに良い環境を追求し提供できるようになりました。

そのステップアップによって口コミの発生率も実感値ですが1〜2割上昇しました。またこの2015年にはホームページもリニューアルし、長岡に住むソフィー学習塾のような場所を必要としている人たちによりアピールできるようになりました。

またソフィーハウスでは以前よりスタッフも働きやすくなったため、仕事への集中力や意欲もさらに湧きやすくなっていると思います。

現在は生徒が増えたことにより、より高いチームワークがスタッフ間で求められるなど、課題は尽きません。しかしそれらの課題にクリエイティブにチャレンジし解決していくことが、私たちの充実感の源となっています。


以上が、ソフィー学習塾の創業から現在までの歴史です。

まだまだ私たちはミッションを達成するためのスタート地点に立っただけに過ぎません。ただ、スタート地点に立てたということは重要であり、これから一歩でもソフィーのミッションで掲げる理想の状態へと世界を近づけていくために、世の中の教育や学習に関わる課題にクリエイティブにチャレンジし続けたいと考えています。


ソフィー学習塾の歴史 おわり


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